ニットの編立

では、いきなり製品作りに行く前にニットの種類について。
今回、WORKERSで作るニットは「成形物」とか「リンキングニット」と呼ばれる物に、前Vのみ「裁断物」の要素を組み合わせたもの。

編み物を前身頃・後ろ身頃・襟・前V部分と分けて作ります。
これを、前Vのみ地縫い+オーバー+倒しステッチ。
それ以外をすべて「リンキング」という編地を環縫いで縫いつける方法で作ります。今回は、まずその編地つくりから。



これが「横編機」。以前、スウェットやTシャツを作った時の「丸編み機」とは形が違います。あちらは同じ編地でも、生地が筒状に出てきますが、こちらは平らな状態で出来上がります。

横編機と言えばおなじみ、島精機。実は、私も以前の職場では島精機のCADを使っていたので懐かしいメーカーさんなのです。会社が和歌山にあり、研修に行った時も周りにはイタリア、インド、いろいろな国から来た人たちが編地を作る為の研修を受けていました。余談はさておき、こんな風に動きます。



WORKERS Knit from WORKERS Co.,Ltd on Vimeo.


左右に行ったり来たりする部分、ここが給糸部分を持って走って行って、編み針で編む。そして、下に出てくるという流れです。
肝心な編んでいる部分は給糸部分がかぶさってわからくなるので止まった状態で。


これが給糸部分。左から糸が2本、右から1本、合計3本を引き揃えて編んでいきます。


先ほどの左の部分に糸を供給している部分。
2本どりが2つ。というのも、給糸部が2つあるため、2本×2箇所分。
さらに、その奥に「編みだし」と呼ばれる、編み目の最初の部分を作る為の別糸(この時は白)が入っています。



こちらは先ほどと逆側。給糸部でいうと、右側に糸を送り出している部分。
こちらは1本×2箇所分。


編んでいる部分は給糸部が上に重なってしまって見えないので、一度編み機を止めてくれているAさん。


模擬的に編み針が出た状態。糸をこの編み針がひっかけて編地にしていきます。横に並んだ針の数がゲージ。1インチあたりの編み目の数になります。



針は単体で見るとこのような形をしています。この先のフックの部分に糸をひっかけて編みます。当然、ゲージが高い(目が細かい)場合、細い針が必要になる。細い針に成ればなるほど、太い糸はかからなくなる。

私が現代のニットを見て「高ゲージ過ぎて華奢に見える」と感じた部分はこのあたりにあるのかもしれません。今回私がお願いした工場さんのこの編み機は14ゲージ。1インチあたりの編み目は14目。さらに度詰めもしています。
つまり、横方向は針の数で編み目の数は決まっているので、縦方向のループを小さくすることで目を細かく、厚みのある編地にしているのです。当然、その分糸量は増えるので若干重く、また原材料も多く使うので価格も上がりますが、洗ってもそう簡単にはへこたれないニットを作る為にどうしても必要な部分です。


で、1パーツ。袖が出来上がったところ。縫製後に洗いがあるので、これよりさらに目が詰まります。そのあたりもサンプル時の仕上がりを計算に入れて編み目の設計をしています。

下の方にある白糸が編みだし部分。編みはじめは編み目が安定しないので、別糸で少し編んで、安定してから本番の糸に変えます。ちょうど、縫い物をするときに、最初に調子布といって仮の布で少し縫ってから、本番を縫い始めるのに似ています。